「もっと自由に働きたい」 家入一真さんインタビュー

Author インタビュー 家入一真

「落ちてました」事件

―― 家入さん、一回すごい連絡とれなくなったときあったじゃないですか。原稿が切羽詰まってたときに笑。

 ああ、ありましたね。

――そのときにメールくださいましたよね。一言「すいません、(気持ちが)落ちてました」って。言い訳も何もしないで。
私あれ見て感動したんですよ。それ、そのまま言える人ってなかなかいないよなって。
素敵です、みたいなメール、すぐ送りました。

 …来てましたっけ?笑。

――えっ笑

 ぼく、基本的にあんまりいいように見せてもしょうがないな、って思うんですよね。完璧な人とかいないじゃないですか。いたとしてもロボットみたいでおもしろくない。ぼくは、いいとこも悪いとこも素直にさらけ出してくれる人の方がいい。

「おれはうんこにいきたい」

――そういうところが家入さんって本当に正直だし、自由だなって思います。
なんかちょっとゆるさがあるじゃないですか。遊び心というか。

 今の子はみんなちゃんとしてるけど、ちゃんとしすぎな気がする。みんな「空気」を読みすぎじゃないかな。もっともっと思ったことをわがままに言うべきだと思いますよ。

「うんこ行きたい」とか。

――はい?

 小学校の時って、なんか「学校でうんこ行ったら負け」みたいな「空気」あったじゃないですか。

――え、いや、うーん、たしかに男子ってそんなこと言ってたかも…。
ちょっと待ってくださいよ!話が見えなさすぎます!

 いや、大事だからちょっと言わせてください。あれってぼくのちっちゃい頃から、下手したらもっと昔からずーっと続いてきた「空気」だと思うんですよ。
でも学校でうんこいけないとか、そんなのどう考えてもおかしいじゃないですか。

――まぁ、たしかに…。

 誰かが何かを変えなきゃいけなかったんですよ。「うんこが行きづらいなんておかしい」って。全員気付いてたのに。

――なんか家入さんがかっこよく思えてきました。

 ぼく、一回もらしましたもん。

――かっこよくない…。

 でもね、みんな今の話を笑うけど、現実には「うんこ行ったら負け」みたいな意味不明な「常識」が世の中にはいっぱいあるんですよ。
 「ビールは上司のグラスが空になる前に、必ずラベルを上にして注げ」とか。
 もちろん最低限の気遣いは大事なんですけど、実際にビールのラベルの向きで気分を害する人とかほとんどいないんじゃないかって思います。

――たしかに、「これって本当に必要なのかな?」っていうルールはたくさんありますよね。

 自分が何かに対しておかしいって思ったら、それに対して何ができるかどうか。新しいメッセージを打ち出してその「常識」を変えていけるかどうか。

――「常識」がおかしいなら、自分で新しい「常識」を作ればいい、と。

 そうですね。
 「堂々とうんこ行く方がかっこいい」、みたいな。
 ぼくがやってることってそういうこと作業なんですよ、きっと。
 だまって「空気」読みすぎてたら、そのうち「空気」になっちゃうから。

――なるほど。場合によっては「空気を読む」ということは、「おかしいと思う常識を受け入れる」ことになってしまうんですね。

「おかしいと思ったら、他にやり方を考えてみたらいい。」

――私、いまのお話聞いて就活のこと思い出しました。みんなが同じ格好して、横並びに企業をまわる。あれもなんかおかしいですよね。

 おかしいと思うんだったら、他にやり方を考えてみたらいいんです。
 ぼくなら、とにかく「売り」を作る。「売り」がないのに企業に入れるなんか思わないから。逆に自分を採用するメリットをきっちり示せれば髪型も、格好も、なんでもいいと思います。
 就活で悩んで自殺するとか、ブラック企業だって愚痴言いながら働くとか、もったいなすぎるじゃないですか。

――他の選択肢があることさえ知っていたら、そんなことにはならないはずですよね。じゃあ、新しい選択肢をつくるにはいったいどうしたらいいのか。今回の本では、そこを具体的に書いていただきました。

 ぼくは、現状から逃げ出したい人に、「逃げてもいいんだよ」って思ってほしかった。逃げ出すための方法論もある。

――その想いは、今回の「もっと自由に働きたい」っていうタイトルに全部こめられていると思います。私たちってもっとわがままを追求していいんだな、って読み終わって気持ちが軽くなりました。

「みんなが飲み会に行っている間に、できることはたくさんある。

 会社を辞めろっていうわけじゃ全然ないんです。働きながらでも、少しずつ変えていける部分はあるんじゃないかな。
 こんなこと言うとまた怒られると思うんですけど、社内の飲み会ってあるじゃないですか。あれ、やっぱり無駄なんですよ。新しいものに触れる可能性を自分で殺してる。その時間で何かものづくりをしたり、人と会ったり、できることは絶対あるのに。
 もし、今の毎日に少しでも違和感を感じる部分があるなら、今すぐ何か始めてみればいい。みんなが飲み会行っている間にさ。

――思ってることがある人は多い。でも、実際に動いている人って本当に少ないですもんね。

 そうだと思います。思っているだけ、アイデアがあるだけ、なんか全然価値がない。そんな人は山ほどいるから。
自分で動いて、形にしないと意味がないんです。

じゃ、今日はこんなところで終わってもらっていいですか。

ちょっとうんこ行ってくるんで。

――笑。どうもありがとうございました!

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